中井英夫さん、尾崎左永子さんとの交流 都内で企画展

中井英夫さん、尾崎左永子さんとの交流 都内で企画展
2015年07月21日 09時57分

書簡や出版物が並ぶ「戦後70年 中井英夫と尾崎左永子展」(東京・東池袋の豊島区立中央図書館で)

「短歌研究」などの短歌誌編集長を務め、長編推理小説『虚無への供物』の著者としても知られる中井英夫さん(1922~93年)と、長年の友人で歌人の尾崎左永子さん(87)との交流を紹介する企画展が、23日まで東京・東池袋の豊島区立中央図書館で開かれている。

中井さんの未発表短歌をはじめ、小説の登場人物の衣装をアドバイスした尾崎さんの手紙、三島由紀夫さんらが発起人となった出版記念会の芳名帳など、貴重な資料が並んでいる。

<母に別れわれが歩むと道のべに白菩提樹の咲くが哀しき><さくらばな白くこぼるる春日にも母恋ひ疲れもとほるわれは>

「母と子のうた」と題する一連の短歌は原稿用紙3枚につづられ、未発表の4首が確認されている。各地で開かれた中井英夫展の準備で2月ごろ見つかった。「中井さんの手書き原稿を目にする機会はあまりない。ぜひ見ていただきたい」と同図書館。

中井さんは東京・田端生まれ。歌好きな母親の影響で3歳から作歌を始めた。北原白秋が好きで、短歌誌編集長時代には葛原妙子さん、塚本邦雄さん、寺山修司さんらを見いだし、戦後歌壇に新風を吹き込んだ。

江戸川乱歩賞の次席となった『虚無への供物』は64年に刊行された。東京・目白の旧家が舞台のミステリーで、登場する女探偵のモデルが、後に日本エッセイスト・クラブ賞や釈空賞などに輝いた巣鴨生まれの尾崎さんだ。54年、短歌研究新人賞に入選。編集部に来たときの鮮やかな服装が中井さんの目に留まったようだ。女探偵の服装について助言を求められ、和装と洋装のイラスト=写真=を手紙に添えている。

交流は中井さんが亡くなるまで続く。「短歌研究」7月号は、中井さんの歌を尾崎さんのインタビューを交えて紹介。尾崎さんは、おしゃれでナイーブな中井さんの人柄について率直に語っている。
2015年07月21日  讀賣新聞

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