作家塚本青史さんが父の創作語る

作家塚本青史さんが父の創作語る 山陽新聞

2016/2/20

郷土ゆかりの識者による連続講座「おかやま楽習塾」の第8期第1回講演会が20日、岡山市北区柳町の山陽新聞社さん太ホールで開かれた。倉敷市出身の作家塚本青史さん(66)=千葉市=が、寺山修司らとともに戦後の前衛短歌運動をリードした歌人の父、故邦雄氏の創作活動への思いや前衛短歌の魅力を語った。

塚本さんは会社勤めを経て1996年に文壇デビュー。中国史を題材にした小説を発表するとともに、邦雄氏創刊の短歌結社誌「玲瓏(れいろう)」の発行人を務めている。一昨年、評伝「わが父塚本邦雄」を出版した。

前衛短歌は、戦前まで主流だった写実的な歌を否定するように語られるが、塚本さんは「父は写実を否定したのではない」と説明。「風景や事実だけを描く短歌に飽き足らなくなり、『心の写実を表現したい』という思いで、歌作りに生涯をかけた」と歌人としての原点を解説した。

歌集に収録された代表的な歌を紹介し、その背景や解釈を披露。「醫師(いし)は安樂死(あんらくし)を語れども逆光の自轉車(じてんしゃ)屋の宙吊(ちゅうづ)りの自轉車」では、「通常なら自転車の修理の風景だけ描いて終わるが、修理と手術のイメージを重ねて医者とつなげ、一つの歌にまとめた。そこに前衛短歌のおもしろさがある」と述べた。
山陽新聞デジタル – 2016/2/19 23:35 updated

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